『カラダに悪いものはすべて避けているのに治らない』
添加物やオメガ6や甘いものがカラダに良くないのは、栄養学の世界では常識ですよね。
でも、栄養学にとっての正解が、体質改善にとっても正解とはまったく限りません。
- 朝ごはんはサプリだけ
- 食事が作業になっている
- 検査結果がとにかく気になる
以下の3つが当てはまるなら、すこし肩の力を抜くだけで症状が良くなる可能性大です。
実際の症例も紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
❶朝ごはんはサプリだけ
分子栄養学の本を見ると、あたかも不足している栄養をサプリで補いさえすれば、全ての不調が良くなるような錯覚に陥ります。
でも、ぼくのもとに来られるひとは「教科書通りにサプリを摂ったのによくならない」というケースが大半です。これは一体どういうことなのでしょう。
そもそも、サプリは摂取すればすぐに効くわけではありません。体内で処理(=代謝)されて、カラダで使える形に変身(=活性化)して、タンパク質でできた輸送トラックに運ばれて、ようやく必要な細胞まで到着します。
代謝がおこなわれるには、エネルギーが必要です。そうですATPです。ATPのメイン材料は糖質です。つまりサプリを効かせるには、大前提として糖質やタンパク質が必須です。
効かせるまで手間のかかるビタミンやミネラルを大量摂取する前に、まず朝きちんと主食を摂るだけで肌荒れや便秘や倦怠感が良くなる人はたくさんいらっしゃいます。
小学校の家庭科で習ったような〝きほんのしょくじ〟ができていない人は、それだけで伸びしろたっぷりですよ。
❷食事が作業になっている
分子栄養学が生活の中心になると、食事が作業になりやすいです。
・毎日の献立基準が「何を食べるべきか」になる
・予期せずいただく差し入れを喜べなくなる
・その緊張感がまわりの人たちにも伝わる
皆さんのまわりに、食べ物に対するこだわりが異常に強く、体調は良さそうなんだけども、いつもピリピリしていて近寄りがたくなってしまった友達はいないでしょうか。
「食べるべき」ばかりの食事はたのしくありません。ちいさな我慢が積み重なることや、それによって人間関係が悪くなったりすると、長期的に体質改善が前進しているとは思えません。
ときには、食べたいものを、食べたいひとと、楽しい時間を過ごす。
それによって出るセロトニンやオキシトシンなどの幸せホルモンは、副交感神経を優位にして、胃腸の働きを促進させ、ネガティブ思考になりにくくしてくれます。
「食べる」という行為を、分子栄養学の枠から一歩出て、もっと広く捉えてみると今まで見えてこなかった景色が広がるケースは多いです。
以前、コンビニに20年行ってないと自慢そうに語っていた50代の女性クライアントがいました。
そのひとにこの話を聞かせたら、、
やがて、以前は大好きだったチョコレートを食べるようになり、家族全体の雰囲気がなごやかになり、飼い犬のアレルギーが治りました。
大切なのは「食材」よりも「食事」ですね。
❸検査結果がとにかく気になる
分子栄養学にハマると、自分の体調の答えが検査結果の用紙上にあるような気になってきます。
そういうひとに、体調が良くなったら何がしたいですかと聞くと、、
「フェリチンを70にしたいです!」
という答えが返ってきます。
正常な数値を示すことが、体質改善の目的になってしまっているのです。
数値はあくまで目安。ましてや血液検査は、採血した瞬間の状態をあらわす切り取り写真です。
明日にはまったく違う数値になっているかもしれません。
自分の体調の答えは、肌の調子や、便の様子や、髪のツヤや、全身のシャキッと感など、自分のカラダがちゃんと示してくれています。
つまり、こういうタイプのひとに欠けているのは「フェリチン」ではなく「イマココ感」です。
検査結果に過剰反応して、アドレナリンが出て、血糖値が爆上がりして、その反動で低血糖を起こしていたら、本末転倒ですからね・・!
❶〜❸に共通するアドバイスは「分子栄養学は体質改善の一部でしかない」です。
つねに広い視野をもって全体を俯瞰で眺めてみてくださいね。