「他人と比べるな」は嘘

目的

「他人と比べるな」は真っ赤なウソだとおもう。

インターハイに出るには強豪校の実力をリサーチする必要があったし、志望校に合格するためにはどの科目で点数を稼げば合格枠を勝ち取れるのか入念に調査した。

そもそも〝偏差値〟という指標自体が、他人と比べたときの自分のレベルを知るためのもの。

そう、ぼくたちは生まれてこのかた、大事なときほど他人を意識せざるを得なかったはずだ。

なのに、体質改善サポートをしていて、現場でしばしば聞こえてくるセリフがある。

「みんな良くなってるのに、自分だけ良くなってない気がして、焦っちゃって・・」

そんなとき、ぼくは心の中でこうつぶやいていた。

(他人と自分は違うニンゲンなのだから、比べてもしょうがないのに。)

あれ?比べざるを得ないんじゃなかったっけ?やっぱり比べないほうがいいのか?

混乱した。しばらく考えた。

焦りや不安を増やさずに治すには、あまり他人の動向を気にしないほうがいい。でも、一方で、良くなる人が共通して持っている要素は、うまくマネしてほしい。

一体、どこを他人と比べるべきで、どこは比べないべきなのか?

いろいろと考えて、ようやく答えが出た。

結論から言う。

「原則」は、他人と比べたほうがいい。

「手段」は、他人と比べないほうがいい。

できるだけわかりやすく説明する。

「原則」とは、カンタンに言えば〝ほとんどの人に当てはまるルール〟だ。バランスよく食べましょう。しっかり睡眠をとりましょう。これが原則だね。

「手段」とは、カンタンに言えば〝具体的なやり方〟だ。朝5時に早朝ランニングをするとか、1日60gのタンパク質を摂取するとかね。これが手段。

ということは、治った100人をよーく観察してみて、100人全員が採用していたルールがあるなら、それは限りなく原則に近い。自分も取り入れれば同じ結果が得られる可能性が高い。

裏を返せば、治った100人が誰もやっていないことは、たぶんやらないほうがいい。ここで独自のヘンなこだわりを持ち込むと、結果が出にくい。

せっかく4万円もしたからと、最後までそのサプリを飲み干したい気持ちはわかる。でも、結果を出した人がだれもそのサプリを飲んでいないなら、損切りするほうが確度は上がるってこと。

YouTubeでいろんな情報をみて混乱が起こるのは、そのひとつひとつが「手段」だからだ。

ある人は亜鉛サプリを勧める。ある人は呼吸法を勧める。ある人はファスティングを勧める。「手段」は枝葉だから、とても具体的だ。わかりやすい。つい真似をしたくなる。

でも、枝葉に行けばいくほど「個人差」がつよくなる。Aさんに効果はあっても、Bさんには効果なし。こういうムラが出やすくなる。

そして「原則」に近づけば近づくほど、幹が太くなる。具体性はなくなるが、個人差も少なくなる。よって結果はブレにくい。

ぼくはYouTubeでときおり「根っこはみんな一緒」という言い方をするが、それはまさに原則のことを言っている。うまくいった人たちの原則をていねいに真似ると、長期的にうまくいきやすい。

ここで、参考までに、ぼくが提唱している「体質改善10大原則」を載せておく。

そう、これは原則なんだ。ここを踏み外すと結果は出にくい。でも、ここを丁寧におさえておき、外さないように見張っておくと、とにかく予後が良い。

気がつくと視線が外れるので、週1回はチェックするといい。

体質改善が停滞しているときは、必ずどこかが抜け落ちている。

1.自分にやさしく

「自分に甘いからこうなった」と思っている人がほとんどだが、実際は自分に厳しすぎて体調を崩す人が多い。過度な糖質制限、睡眠不足の放置、嫌な環境に耐え続けるなど。自分を追い込みすぎないこと。

2.虫の目と鳥の目をもて

細かい視点(虫の目)と荒い視点(鳥の目)の両視点を行き来すること。血液検査のひとつひとつの数値も大切だが、そもそもちゃんと寝ることも欠かせない。昨日と比べて変化がなくても、半年前よりも良くなっているなら安心していい。

3.方法より理由(目的)が大事

症状が治ったらどんな生活が送りたいかを決めておかないと、治療法は決まらない。グルメを楽しみたいというビジョンを持っているのに、グルテンフリーで症状が良くなったら、グルテンを食べないことでしか体調を保てなくなる。目的に合った手段を選ぶこと。

4.全身はつながっている

症状の出ている場所だけが悪いとは限らない。たとえば腸内環境が肌に影響するなど、全身はつながりをもっている。また、狙った症状が良くならなくても、別部位の症状が改善してこれば、それはよいサインである。

5.多面的にみよ

たとえば「鉄不足だ」と言われても、原因は摂取不足・浪費過剰・吸収不良など多岐にわたる。つねに可能性を広くとっておくこと。安易に可能性を狭くしない。

6.完璧な健康体はない

だれのカラダにも弱点はある。症状は疲労やストレスを教えてくれる警報器の役割もある。ゴールは「無症状」ではない。

7.優先順位をつけよ

ダイエットよりも体質改善、ビタミンやミネラルよりも三大栄養素、こまかい食事ルールよりも睡眠。すべてを徹底的にやろうとせず、最も優先順位の高いものをすこしだけ取り組むこと。

8.ヒトのカラダは謎だらけ

原因を突き止めすぎるとエネルギーを消耗する。適度な知識で行動を起こし、カラダの反応をたよりにそのつど軌道修正するほうがエネルギーを消耗しにくい。いい加減の諦めをもつこと。

9.リスクを引き受けよ

新しい行動をとるときに不安や抵抗が出るのは当然。「変わりたいけど、変わるための税金は払いたくない」は変われない。大きく変わると書いて大変と読む。たいてい大変だとおもうことに取り組むのが最も効果的。

10.答えは自分のカラダの中

データや専門家の意見はあくまで参考材料であり、鵜呑みにすべきではない。じぶんのカラダが示してくる感覚や反応はなによりも貴重な情報源である。