ストレスで痩せない3つの科学的理由

分子栄養学

「がんばってるのに、なかなか痩せない・・」

慢性症状を抱えながらも、痩せたいと思っている女性は多いですよね。

でも「ストレスを減らすだけで結構うまくいきそうなのに」と感じるケースって、結構あるんですよ。

それくらい強いストレスと痩せないことはリンクします。

3つのポイントに分けて解説します。

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1つ目:コルチゾールが増えるから

ストレスを感じると、副腎から「コルチゾール」というホルモンが出ます。

ストレスに負けないようにエネルギー切れを防ぐホルモンです。

ヒトは三大栄養素(=糖質・脂質・タンパク質)からエネルギーをつくっています。この中でほぼ無限に溜め込めるのって脂質だけなんですね。

つまり、脂質をたくさん溜め込んでおけば、とりあえずエネルギーが切れてしまうことは防げる。だからコルチゾールは脂質をどんどん溜め込もうとします。

さらに、コルチゾールはタンパク質をどんどんエネルギーに変えてしまうため、筋トレをしても筋肉がつきにくくなるという悪循環も起こります。

こうやってコルチゾールのおかげでエネルギー切れに備えまくってる状態が副腎疲労ですね。本人もじぶんのことを「タフで体力がある」と思っていたりします。
(で、美容院へ行くとものすごい肩がこってるねといわれる)

・朝起きるのが辛い
・日中は眠くてだるい
・甘いものやコーヒーに依存しがち
・夕方に昼寝が必要
・夜になると元気になる

これらが副腎疲労の特徴的な症状です。

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2つ目:炎症が起こるから

ストレスが強いと、体内で活性酸素が発生して体が酸化(錆び)しやすくなります。

酸化が起こると、その場所に炎症が発生。炎症は体の一部に起きても全身に飛び火する性質があるため、全身が炎症体質になってしまいます。

炎症が起きると、インスリンの感受性が低下します。インスリンの反応が悪くなると、血糖値が高くなり、食べた糖質が細胞に取り込まれにくくなって血管内に余るようになります。

さらにインスリンには脂質を溜め込む作用があるため、これまた痩せにくくなるモト。

また、炎症は腸内環境も悪化させて、栄養の吸収率を落とします。そうなると脂肪燃焼に必要なビタミンやミネラルを摂っているのに効かなくなる。

このような場合は、ビタミンやミネラルのサプリを一生懸命飲むよりも、グルタミンやプロバイオティクスなど腸内環境を改善するものから取り入れることが大切です。

ストレスによる酸化を食い止めるためには、ビタミンCなどの抗酸化作用がある栄養素も必要になります。

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3つ目:甲状腺機能が落ちるから

長期的なストレスは、甲状腺の機能も低下させます。

実は副腎疲労とは、副腎そのものが疲れているのではなく、副腎に命令を送る脳が疲れている状態。疲れた上司が部下にちゃんと命令を送れなくなったようなものです。

甲状腺も脳の部下なので、脳がストレスで疲れると甲状腺も機能低下を起こします。

甲状腺は全身の代謝を調整する重要な器官。機能が落ちると、体全体が省エネモードに入ってしまいます。

その結果、むくみ(水分代謝の悪化)、冷え(熱を作れない)、疲れやすさ。倦怠感などの症状が現れます。

血液検査においてTSH>4またはFT3<2.8だと、甲状腺機能の低下をうたがいます。
(医師が診断する橋本病や慢性甲状腺炎とは別)

以上の3点にピンとくるところがあった場合、栄養よりもメンタル面に目を向けてみるのがカギかもしれません。

体質改善の本質は「これまでやってこなかったことを、やっていくこと」にあります。