何を食べるとお腹が張る?

分子栄養学

玉ねぎ、にんにく、豆乳などで症状が出る人

「お腹が張る」「ガスが出る」という症状で悩んでいる人が多いですね。

ここで大事なのは、何を食べたときにその症状が出るのか、という点です。

 

玉ねぎ、にんにく、豆乳などで張る人。

これらは「発酵性のある糖質」とカテゴリ分けされる糖質です。

つまり、腸内細菌がこれらの糖質を腸内でパクパク食べることで、水素やメタンガスを発生させるのですね。

腸内環境が正常な人にとっては問題ないのですが、SIBO(小腸内細菌増殖症)がある人にとってはマイナスに働きます。

玉ねぎやにんにくだけではありません。

りんご、ごぼう、小麦製品などで症状が出る人もいます。これらを「高フォドマップ食材」といいます。

SIBOがある人は、ひとまずこれらの食品を減らして腸内環境を正常にしなければいけません。

 

ただ、大豆などは単純に食物アレルギーのこともあるので、SIBOとの判別が必要です。

 

肉、卵、プロテインで症状が出る人

つまり、タンパク質を食べたときですよね。

タンパク質を消化するのは胃酸です。胃酸が足りないとこれらを食べたときにお腹の調子が悪くなります。

むろん、 SIBOと併発している人もいますよ。

結構みなさん「何食べてもお腹が張るんです」とおっしゃいますが、細かく何でお腹が張るのか観察する必要があります。物が違えば原因が違うからです。

 

胃酸の過不足は「ビーツチェック」でわかります。

ビーツをサラダにしてしっかり食べ、その後の尿や便の色を観察するのです。

ビーツの強い色素を体内で分解できるのは胃酸だけなので、この性質を利用すれば胃酸の過不足が推測できるのです。

尿や便の色が変わらなければ、胃酸によってビーツの色素が分解された証拠。よって胃酸は足りています。

逆に、尿や便の色がビーツ色に染まれば、ビーツの色素を分解する胃酸が足りなかった=胃酸不足です。

 

プロテインなどは液体ですが、それでもよく噛んで飲んだらガスが出なくなったという人がいるので、やはり咀嚼は基本の「キ」です。

 

天ぷらや揚げ物で症状が出る人

要するに脂っこいものが苦手な人ですね。

油を消化(正しくは「乳化」)してくれるのは胆汁(たんじゅう)です。

胆汁が足りないと、脂っこいものがたべられなくなります。

 

胆汁の原料はコレステロールです。

コレステロールは胆汁、ビタミンD、コエンザイムQ10、性ホルモン、ステロイドホルモンの材料になります。

コレステロールを怖がっている人がいますが、コレステロール不足だと、これらがすべて不足してきます。超大切なんです。

コレステロールの80%は胆汁になるので、胆汁不足=コレステロール不足のことが多いです。

分子栄養学的な総コレステロールの基準値は「220」です。ところが200にも満たない人が多い。

コレステロール不足で脂っこいものが苦手な人は、コレステロールを不足を解消すべきです。

 

納豆、キムチ、ヨーグルトで症状が出る人

つまり発酵食品ですよね。

こういう人は腸内にカビが繁殖している人が多いです。

発酵食品を食べることによってカビが元気になって、余計調子が悪くなるのですね。

日本人は納豆を神格化していますが、カラダに良い食べ物は十人十色なのです。

テレビやネットから情報収集していると、このことがなかなか受け入れられません。

しかし、あなたのカラダに合う食物は、隣の人と同じだとは限らないのです。

 

まとめ

以上、食材別にお腹の症状が出る原因を分けてみましたが、これらが単一で起こっている人はいません。

たとえば胃酸不足だと、体内の殺菌作用が弱まるので、SIBOを起こしやすくなります。

これらが複数同時に起こっている可能性は十分にあるのです。

大切なのは、まず「知る」こと。

なにで症状が出るのかカラダを観察して、正しい対策を立てましょうね!