カラダに良い食べ物なんてない。

分子栄養学

こりゃまた誤解を与えそうなタイトルですけれども・・・。

万人にとってカラダに良い食べ物・悪い食べ物というのは、実は存在しません。

食べ物を普遍的に「良い」「悪い」と区別することはできない、というわけです。

 

たとえば海藻類は、日本人しか消化吸収することができません。

日本人は海藻類を見事に消化吸収して、そこからミネラルや食物繊維を獲得します。

海外の人々は海藻を食べる文化がそもそもないので、言葉もありません。

ワカメも、モズクも、メカブも、英語圏では「seaweed」です。

 

海外の人が海藻を食べるとただただ下痢を起こすだけなので、海藻は日本人にとってはカラダに良い食べ物だけども、海外の人にとっては当てはまらないんです。

 

牛乳はカラダに悪い?

カルシウムとマグネシウムという2つのミネラルは、互いに拮抗します。

これらは1:1のバランスで摂らなければ、他方の働きが強くなり過ぎてしまいます。

牛乳に含まれるカルシウムとマグネシウムの比率は11:1です。マグネシウムが少ないです。

 

昔の日本人はカルシウムが圧倒的に足りなかったので、牛乳摂取で良いバランスを保っていたのですね。

でも、今はいろんな食品にカルシウムが添付されるようになったので、不足の心配はありません。

むしろ現代人はマグネシウム不足が叫ばれています。

 

さぁ、マグネシウムが不足しているところに牛乳を流し込むとどうなりますか?

もっと比率が偏ってしまいますよね。カルシウム過剰となり、ふくらはぎの痙攣や物忘れが現れます。

 

つまり、時代が移り変わるとともに、必要な食べ物は変わってくるんですよ。

そして、その時代で多くの人にとって必要な食べ物が「カラダに良い食べ物」になるんです。

「絶対的にカラダに良い食べ物なんてない」というのはそういうことなのです。

 

よって、文献から古い情報を引っ張り出すときは、時代錯誤でないかを知ることが大切。

もっといえば、個人レベルでカラダに良い食べ物・悪い食べ物は変わってくるよ、という話でした。