体質改善にいらんものTOP5

分子栄養学

長年慢性症状に抱えているひとって、実は重要でないところにエネルギーを注ぎがちです。

第5位:食物繊維
第4位:早起き
第3位:運動
第2位:自炊
第1位:気合い

これらのものはとくに必要ありません。

ひとつずつ解説します。

■第5位:食物繊維

最近、食物繊維はとても大事だから、五大栄養素に加えて「〝六〟大栄養素」なんていわれるようになってきました。

・・ええ、そうなんです。所詮六番目なんですよ。

その前方には、

・糖質
・タンパク質
・脂質
・ビタミン
・ミネラル

という不動のTOP5がいます。

つまり、食物繊維よりも、これらのほうが明確に優先順位は上なんです。

糖質→ちゃんと1日3回主食摂ってます?低血糖があるなら、間食もしてます?
タンパク質→ステーキの塊をペロッと食べられます?胃もたれしませんか?
脂質→オメガ6摂り過ぎてませんか?オメガ3不足していませんか?
ビタミン→VB群足りてます?VDは日本人の8割が不足してますよ?
ミネラル→鉄摂れてます?摂ったはいいけど吸収できてます?Mgは?亜鉛は?

と、こう考えてくと、食物繊維をたらふく食べる前に、課題はたくさんあるはずです。

食物繊維で体調がわるくなったひとはご存知でしょうが、食物繊維をプラスにはたらかせるためには、まあまあ腸内環境の健全さが求められます。

腸内環境が万全でないうちに玄米やもち麦や野菜サラダを食べて、お腹が張ったり、下したり、痛くなったりするひとは多いです。

それよりもまず、糖質やタンパク質から確実に味方にしていくほうが着実です。

 

■第4位:早起き

副腎疲労のがんばりやさんタイプほど、心身ともに余裕がない今だからこそ、早起きしてランニングしてエネルギーを高めよう!みたいな努力をしがちです。

でもそれって、故障寸前の車でレースに参加するようなもので、とても過酷です。

早起きしてランニングしなければ治らない慢性症状はひとつもありません。

海外の副腎疲労関連の著書には、軒並みこんなふうに書いてあります。

「昼寝、二度寝、早寝をしなさい」
「朝10時まで寝ていなさい。できるなら、昼まで寝ていなさい」

さすがに夜寝れなくなってしまうならここはコントロールすべきですが、とかく日本人は「早起きは三文の得」ということわざに引っ張られ過ぎている感があります。

三文って、いまの価値に換算すると「90円くらい」ですよ。

その90円を受け取る代償として、はるかに高い治療代払ってませんか・・?

あなたが元気になってきたら、早朝にカラダを叩き起こさなくても、自然と目覚めます。

そう、早起きは結果としてそうなったときにするものであって、わざわざ努力するものではありません。

 

■第3位:運動

今の生活習慣にプラスして運動を予定に入れるなら、純粋に気分転換やリラックスとして完結するものに限ってオススメします。もともと趣味でやっているようなヨガなどですね。

なんらかの効果や効能を期待して努力感を持ってやるものは、体質改善に必要ありません。

もともと運動と無縁のひとが、急にランニングウェアを買って走り出すパターンのやつですね。これはカラダもメンタルも両方壊します。

少なくとも慢性症状を抱えてて心身ともに余裕がないうちは、駅やスーパーまでの往復を歩くほどの運動で十分。なんらかの効果や効能を期待して努力感を持ってやるものは、もっと元気になってから。

 

■第2位:自炊

これも必要性に取り憑かれているひとが多いですね。

自炊に取り憑かれているひとの問題の本質は、まだまだ自炊のクオリティが足りてないことではなく、そう思い込んでいるメンタリティです。

よほどわかりやすい特定の商品や添加物のアレルギーがないならば、スーパーもコンビニもどんどん活用してください。

自炊で消費していたエネルギーが節約できて「疲労感」「アレルギー」「便秘」などが改善した例は数知れません。みなさん添加物の害を過剰評価しすぎ&ストレスの害を過小評価しすぎ。

お母さんのコンビニへの嫌悪感がゆるんで、家庭の空気がやわらかくなって、飼い犬のアレルギーが治った例すらありました。

・おかずを毎日3〜4品つくっている
・日数をかけて発酵玄米を炊いている
・オーガニックな食材にこだわっている

こういうのは一見よさそうに見えるのですが、すでに健康になったひとの趣味向けですね。傷ついたひとが元気になるためのリハビリ食はもっと手前にあります。

土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」読んでみてください。とても肩の力が抜けます。

ぼくも家でやるのはせいぜい米を炊いて味噌汁をつくるくらいです。あとは納豆と卵があれば万々歳。

 

■第1位:気合い

これは「我慢」「努力」「忍耐」みたいなものの総称です。

みなさんこういう気合いをもって体質改善に臨まれます。がんばらないと結果が出ないと思っているからです。

でも、我慢して体調が良くなっても、その体調をキープできるのは、我慢している間だけなんですよね。努力も忍耐も同じです。

みなさんにお聞きしたいのですが、毎日の歯みがき、我慢して続けてますか?気合い入れてやってます?

多少はそうかもしれないけど、所詮一生続けられるほど無理のない気合いに過ぎないでしょう。

でも、歯みがきは、歯に起こるあらゆる問題のリスクを、確実に減らしてくれます。

体質改善もこれと同じです。続かないことは、始めないほうがいい。

3ヶ月だけ健康でいたいなら始めてもいいですが、10年後も健康でいたいなら、取り入れる習慣の難易度はグッと下げたほうがいいです。

・夜10時までに寝るようにする
・甘いものは買わないようにする
・プロテインを限界までガブ飲みする

がんばりやさんほど、こういったすぐに崩れそうな高いハードルの指標を掲げがちです。そりゃあ、三日坊主になるのもむりはない。

体調良くするために、いろんなことを始めたくなると思います。

そのときはいつでも「それは歯みがきのように続けられるか?」を自問自答してみてください。