二日酔いを予防する栄養素

分子栄養学

■アルコールの代謝メカニズム

二日酔いを予防することは、栄養のはなしに置き換えると「アルコールの代謝をスムーズに進ませよう」です。

アルコール代謝とは、アルコールが水と二酸化炭素に変わるまでの反応をいいます。

アルコール(エタノール)
↓1
アセトアルデヒド
↓2
酢酸

水と二酸化炭素

・・と、メカニズムはこんなかんじ。

おもな難関は「1」と「2」です。ここで代謝を滞らせないようにしたい。

 

■まずはタンパク質

ある物質をべつの物質に変えようとするとき、そこにはかならず「酵素」が必要。

酵素と名前がつくものは、すべてタンパク質からできています。

なので「低タンパク=低酵素=アルコールの代謝不良」が起きる。やっぱりタンパク質の重要度って高いですね。

代謝メカニズムの1ではたらく酵素の名前をADHといいます。正式名称はアルコール脱水素酵素。

このADHをつくるときには亜鉛も必要です。亜鉛不足→ADH不足です。

 

■もうひとつの大事な戦士

つぎに「2」の代謝です。

ここで活躍する酵素はALDH。正式名称はアルデヒド脱水素酵素。名前は覚えなくていいです。

また、1と2の両方の代謝を助けている戦士がもうひとりいます。

ナイアシンです。別名ビタミンB3。これを飲み始めてお酒の欲求がおさまるひともいます。

それから、肌の乾燥に悩むひとは聞いてください。

この「ADH」「ALDH」という2つの酵素は、ビタミンAの代謝でもつかわれます。

だから、こういうことも起こり得ます。

お酒を飲みまくる

アルコール代謝で「ADH」と「ALDH」を大量消費

ビタミンA代謝につかう「ADH」と「ALDH」が不足

ビタミンA不足

・・カラダっておもしろいですよね。結局バランスが大事ってこういうこと。

ビタミンA不足で乾燥症状が出ます。ドライアイとか踵(かかと)が乾燥してくるとか。

ただでさえアルコールは体内から水分を奪うのに、VA不足も起こるから、余計に乾燥しやすくなるってこと。

まあ、たしかに、大酒飲みで肌がプルプルだというひと、あまり見かけませんよね・・。

 

■まとめ

二日酔い予防に必要なのは、、

・タンパク質
・ビタミンB群(おもにVB3)
・亜鉛

二次災害で起こりやすいのが「ビタミンA不足」です。

ただ、これらのものを飲む直前に急激に揃えるより、もとから不足がないことのほうがずっと大事。

飲む機会が多いシーズンは、ぜひ盤石な栄養を備えてから臨んでくださいね。