こんにちは。中村です。
ぼくはクライアントさんに「ごくフツーの食生活」をやってもらうのですが、その食生活を送ることによって却って下痢をしたとか、お腹が張るとか、そういう人が増えてきたのですね。
一般的に良いとされている食材しか食べていない人がそういう症状を起こすので、これはイカンと思っていろいろ調べてみました。
発酵食品で調子が悪くなる人
人によって必要な食材が違うことは前からわかっていました。アレルギーとかある人ですね。
でも、最近思うことは、同じ人であっても、タイミングやお腹の調子によって、OK食材とNG食材が入れ替わることがわかってきました。
顕著なのがゴボウ、サツマイモ、納豆など。
これらは一般的に「食物繊維も豊富だし、ビタミンやミネラルも含まれているし、弱点なし!」とされている食材ですが、これは「腸内環境が悪い場合を除く」だったのですね。
ここでいう「腸内環境が悪い」というのは、具体的に言えば、
大部分が大腸にいるはずの腸内細菌が、小腸で異常増殖している
という点に尽きます。
これを「SIBO(小腸内細菌異常増殖症)」といいます。「シーボ」と呼びます。
大腸にいるはずの腸内細菌が小腸で増えているとどうなるか。
小腸壁はそのような事態を想定してつくられていないので、腸内細菌が発酵を起こしてガスを発生させると、容易に壁が風船みたいにふくらんでしまうのです。
この「小腸の壁がふくらんでいる状態」が、すなわち「食べるとすぐお腹が張る」の正体なのですね。
常識が通用しないSIBO
前述しましたが、SIBOがあると、一般的に良いとされている食材でもお腹が張ってしまい、下痢や便秘や腹痛などの不快な症状が起こります。
カラダに良いと思って食べているのに症状が出るから、本人からしてみれば訳がわからない。医者でレントゲンを撮っても何もわからないから、余計に訳がわからない。
ゆえに迷宮入りになっている人がとても多いのではないかと思います。
いまのところ、SIBOの有無を調べるのに一番有効とされている検査は呼気検査です。
小腸内の腸内細菌が発生させるガスはおもに水素とメタンですから、呼気中にふくまれる水素とメタンの量を測って、SIBOの有無をたしかめるというわけ。
ただ、まだ一般的な検査ではないため、おそらく実施している病院のほうが少ないと思います。
SIBOの人が避けるべき食材
SIBOを解決する方法は実にシンプルで、
- 小腸内の細菌を増やさないこと
- 小腸内の細菌を減らすこと
この2つです。
「小腸内の細菌を増やさない」ためには、小腸内の細菌にエサをやらないことです。
小腸内の細菌のエサというのは「発酵性の糖質」です。
つまり、与えると小腸内の細菌が喜んで食べてガスを発生させてしまうものを、避けることが大事なのですね。
小腸内の細菌が発酵を起こしてしまう食材を「FODMAP(フォドマップ)」といいます。
Fermentable:発酵性の
Oligosaccharides:オリゴ糖(フルクタン、ガラクトオリゴ糖)
Disaccharides:二糖類(ラクトース)
Monosaccharides:単糖類(フルクトース)
And
Polyols:ポリオール(ソルビトール、マンニトール、イソマルト、キシリトール、グリセロール)
語呂合わせとしては「And」とか卑怯すぎる気がするんですが、それは置いといて、こんな感じです。
とはいえ難しいですよね。「イソマルトってなんやねん」っていう。
要するに「FODMAP=小腸内の細菌のエサ」です。
・FODMAPが含まれている食材→高FODMAP
・FODMAPが含まれていない食材→低FODMAP
よって、SIBOの人は、細菌を増やさないために低FODMAP食を実践することになります。
ちなみに「小腸内の細菌を減らす方法」は、現時点で断食がベストと考えています。
小腸内の細菌をシンプルに餓死させるのですね。
低FODMAP食材一覧
(引用:https://www.pinterest.jp/pin/582442164284401099/)
一例ですけれども、SIBOが疑われる方は、2週間ほど低FODMAP食を実践してみてください。
そしてお腹の張りや、腹痛や下痢やガスが、どう変わるか要チェックです。
万人に効く食材は存在しない
物事を「良い/悪い」の二択で判断することに慣れている私達におかれましては、すでに高FODMAPの表に載っている食材たちを悪者にしてしまいがちです。
でもね!違うんですよ!
タマネギはオリゴ糖が摂れるし、ニラは強い抗酸化作用があるし、アボカドは良質なオイルが摂れます。
これら高FODMAP食材は、腸内環境がいたって正常な人にとってはプラスに働きます。
(ラーメンとかピザは別ですが🙈)
しかし、腸内環境がよろしくないうちは、必ずしもプラスの面だけを受け取れるとは限らない、という意味ですね。
万人にとって、そして同じ人でも体調によって、求められている食材は刻一刻と変化することを心に留めておいてください。
ぼくがよく言うことなんですが、
誰にとっても悪い食材はあっても、誰にとっても良い食材はない
というわけです!