「こんながんばってるのに治らない、、」
そう嘆くひとの前提にあるのは「効果はがんばった度に比例するはず」という思い込み。
でもね、学生時代の定期テストを思い返してください。優秀なひとほど徹夜なんてしてなかったですよね?
ここでは、がんばった人ほど早く体質改善できるわけではない理由を3つおしえます。
❶がんばりは期間限定だから
❷そもそも間違ったがんばりだから
❸がんばりはストレスになるから
ひとつずつ解説します。
❶がんばりは期間限定だから
学生時代の受験勉強や会社のイベントに向けて、じぶんの体力を注いでがんばれるのは、終わる時期が明確に決まっているからです。
そういうモノをがんばってきたひとが、そのがんばりを健康法の実践に当てはめようとすると、うまくいかないことが多いんですね。
なぜなら、健康をキープするために行うひとつひとつの実践は、生きている限り終わりがないからです。
あなたはなぜ、昨日の夜も、今日の朝も、変わらず歯みがきをすることができたのでしょう?
それは、歯みがきという健康法の実践を、特別にがんばっているわけではないから。肩肘張って、気合を入れて臨んでいないからです。
慢性症状を改善していくために、やるべきことっていろいろありますよね。
大切なのは、そのひとつひとつの実践を、歯みがきのように無理なくできる難易度まで下げてあげること。
そのとき、難易度を下げることに抵抗を感じる場合は、そこ根底にある焦りや不安の正体を探ってみてください。
だってあなたは、あんな簡単かつ数分あればできる歯みがきが、生涯にわたって歯に起こる問題のリスクを、まあまあ下げてくれることはちゃんとわかっているんですから。
❷そもそも間違ったがんばりだから
これは単純な「知識不足」のパターンです。
よくある例を挙げると、、
・低タンパクを解消するために、消化できていないプロテインを〝がんばって〟飲む
・生活習慣を正すために、朝5時起きで〝がんばって〟ランニングをする
・腸内環境を正すために〝がんばって〟1日30品目のおかずを準備する
一見正しそうにみえるこれらの実践がなぜ知識不足なのかは、ぼくのYouTubeなどをご覧いただくとして、、
今の自分にとって正しい知識を選ぶことがなぜ難しいのか。
その理由は「優先順位」にあります。
たとえば、、
空腹時間を増やしましょうというアドバイスがあったとします。胃腸を休ませる時間があったほうがいい。一理あります。
しかし、そもそも血糖値が安定していないと、空腹によるメリットが得られるよりも先に、低血糖という形でデメリットを受け取ってしまいます。
例えていうなら、
「1日1万歩あるきましょう」というアドバイスがあっても、ヒザに爆弾を抱えていたら、1万歩あるくことで得られるメリットよりも先に、ヒザの痛みという形でメリットを受け取ってしまいますね。それと同じです。
だから、科学的にまちがっていなくても、今のじぶんがなにを優先したらいいかは、基本的な知識がないとみえてこなかったりします。
同じ健康法をずっと続けているのに、ゆるやかに症状の強さが落ち着いてこない場合は、そのがんばりが間違ったものではないか、一度うたがってみるといいです。
❸がんばりはストレスになるから
当たり前ですが、がんばりはストレスになります。
歯みがきがストレスにならないのは、歯みがきという習慣が、がんばらなくていいレベルまで難易度を下げたモノだからです。
ストレスが起こると、たとえばカラダでは以下の反応が起こります。
「ストレスに負けないように、抗ストレスホルモンを作らなきゃ」
「ストレスで体が酸化しないように、抗酸化対策をしなきゃ」
「ストレスで免疫力が落ちないように、免疫力を維持しなきゃ」
そして、
抗ストレスホルモンを作るために必要な栄養
酸化しないために必要な栄養
免疫力維持のために必要な栄養
というカンジで、たくさんの栄養が余分に必要になります。この状態を「栄養需要が高まる」といいます。
がんばりやさんは、ストレスによる栄養需要の高まりによって消費される栄養のことが頭からすっぽり抜けています。
だから、とにかくがんばって栄養を摂りさえすれば、症状が良くなるだろうと思っています。
「健康についてとても詳しいけど、どこか幸せそうに見えず、いつもギスギスしているひと」
↑ あなたの周りにいませんか?
こういうひとが、栄養の摂取量も多いけど、消費も多いひとです。
お金の収入が多くても、支出も多かったら、お金は残らないですよね。
栄養も同じで、収入だけをみるのではなく、最終的な残高をかんがなければいけません。
そこで目を向けるべき支出軽減策が、できるだけ肩肘張ってがんばらないことなんです。