朝食を摂ると元気になる理由

分子栄養学

こんな朝食ライフを送っているひとは、ちょっとマズイです。

・忙しいから食べていない
・スムージーだけにしている
・そもそも朝はお腹が空かない

慢性症状に悩んでいて朝こんなふうなら、難しいことをやらなくても、朝食ライフを改めるだけで元気を取り戻せる可能性が高いです。

とくに「日中の眠気」や「メンタルの不安定」にお悩みのひとは、ぜひ最後までお読みください。

 

■血糖値は喜んで上げなさい

車にガソリンがないと動かないように、ヒトもATPというエネルギーがなければ働きません。

ATPの主原料は糖です。糖質を摂取すると、ATP生産工場である細胞へ到着するまでに、血管を経由しなければいけません。

ぼくらが食べた糖質が細胞内を移動している間は、血糖値が上がります。

ですから「血糖値が上がる=悪」では全然ありません。

問題になるのは、たとえば以下の場合です。

・上がらない
・下がらない
・上がりすぎる
・下がりすぎる

ですから、食べてフツーに血糖値が上がることを、怖がらないように。

そして、朝食は前日の晩ごはんからの断食状態を破る大切な食事です。

朝しっかり主食を摂ることで、昼食の血糖値の「上がりすぎ」を防いでくれます。

だから、朝食を摂るとしても、「プロテインのみ」「スムージーのみ」では不完全なのです。

たとえば、1日に必要なエネルギー量が2,000kcalの場合。

その半分を糖質から摂取するとしたら、

2,000÷2=1,000kcal

糖質は1g=4kcalなので、

1,000÷4=250g

糖質35g≒白米100gなので、糖質250g≒白米700g

一般的な食堂のライスは180gなので、4杯食べると720g

つまり1日トータルで「ライス3杯強+おかずに含まれる糖質」を食べて、ようやく700gくらいです。

こう考えると、スムージーに含まれる糖質だけでは全然足りないことに気づくと思います。

 

■朝食を摂らない長期リスク

でも、朝食を摂らないほうが元気だとおっしゃるひともいます。

そのメカニズムはこうです。

晩ごはん食べる

血糖値が上がる

寝る

起きる(ここでだいぶ低血糖気味)

朝食をとらないのでアドレナリン分泌

アドレナリンでなんとか血糖値回復

アドレナリンには血糖値を上昇させる作用があります。

食べて血糖値を上げられないとき、ヒトは最後の手段としてアドレナリンで血糖値を上げます。

つまり、朝食を摂らないほうが元気なカンジがするのは、アドレナリンが出ているから。

アドレナリンって、興奮作用のあるホルモンです。

格闘技をみているときや、だれかと口喧嘩をしているときに出るホルモンです。

そんなホルモンで血糖調整をやっているのですから、肩に力は入るし、呼吸は浅くなるし、セカセカしやすくなります。

攻撃的で、退屈が苦手になり、周りからはタフだと言われるけども、なんだか落ち着かない日々が続きます。

おまけに昼食で血糖値が爆上がりするから、午後からの仕事は眠くてたまらない。眠くなることを見越してコーヒーでさらにアドレナリン注入!

・・というカンジで悪循環が止まらないケースが往々にしてあります。

 

■おすすめの朝食

実は、上記のメカニズムで説明した低血糖が、睡眠中すでに起きていることを「夜間低血糖」といいます。

その場合、起きたときからアドレナリンがたくさん出ています。

アドレナリンは戦闘状態です。戦闘中に腹を空かせているわけにはいきません。だから胃腸の運動は鈍くなります。

つまり夜間低血糖があるひとほど「朝はお腹が空いていない」になりやすい。

だから、むりして食べずに、まずは蜂蜜や果物など食べやすい糖質から取り入れて、昼間の血糖値を安定させることに注力してみてください。

夜間低血糖が良くなってきて、起床時からお腹が空いてきたら、とても良いサインです。

そもそも胃腸に元気がなくて朝なかなか食べられないひとも、むりしないでくださいね。

食べられるなら、上記量の主食をまずは摂ってください。それ以外の卵や味噌汁やおまけです。この優先順位が大切。

「少ししか食べられない」なら、その「少し」は主食にするといいです。卵1個だけにするなら、おにぎり半分だけのほうがいい。優先順位が大切ってそういうことです。

日本昔ばなしで「握り飯」だけの食事は登場するけど、「味噌汁」だけの食事なんて登場しないでしょ・・?