「とにかく普通の毎日が送りたい」
「鉄サプリを飲んだら調子が悪くなった」
「何をやっても三日坊主で続かない」
ぼくのもとに来られるひとは、こういうケースが大半です。
一見正しそうな健康法に手を出しているのに、どうして治し切ることができないのか。
その理由を体質改善の新しい公式とともに解説しますね。
■体質改善=目的×栄養×メンタル
目的、栄養、メンタル。
ぼくはこの三要素がどれも慢性症状を克服するために必須だと考えています。掛け算なので、どれかひとつがすっぽり抜け落ちていると、他がうまくいっていても成果は「ゼロ」です。
「目的」とは、何のために体質改善をするのか、という部分です。
これを尋ねるとたいてい「肌荒れを治したいから」のように返答がありますが、それは目的ではありません。「なぜ肌荒れを治したいのか」が目的です。ここが明確なひとは強いです。
たとえば、韓国語を学ぶことを例に挙げます。
「韓国語を学ぶ目的はなんですか?」と聞かれたときに、
Aさん「なんとなく話せたらかっこいいから」
Bさん「韓国企業に就職したから話せることが必須だから」
と答える二人がいたら、どちらが早く正確に韓国語を覚えることができるでしょうか。
能力の違いがだいぶあったとしても、目的の明確さと強さを考えると、Bさんが早く韓国語を身につける未来は容易に想像できます。
体質改善においても「健康になりたいから」「普通の毎日が送りたいから」など、フワッとした未来像しか出ないひとは、治癒が遅いです。
反対に「仕事に復帰したいから」「3ヶ月後に予定している温泉旅行を楽しみたいから」など、明確な目的をもっているひとは、有利に働くことが多いです。
■栄養はもちろん大事
この公式でいうところの「栄養」は、症状や採血の結果から足りない栄養素を予測して、その不足をなくしていくことを指します。
ただ、ここも思っている以上に奥が深いです。
たとえば・・
症状や採血から「鉄不足」が推測できたとしても、教科書通りに鉄サプリを摂取すればいいわけではありません。
・そもそもなぜ鉄不足が起こったのか
・鉄を大量消費させているものはないか
・摂取したとして吸収することはできるか
など、いろんな視点から鉄不足を解消する方法を探っていきます。
お金に例えるとすごくわかりやすいですね。
家計が赤字だったとして、単純に「収入を上げよう」ってなりますかね?
まずは、大きな支出になっているものを探したり、よくわからない支出がないか調べたり、いろんな多方面から考えますよね。
栄養もこれと同じです。単純に足りないものを算数みたいに補って解決する例は意外と少ないです。
■忘れてはいけないメンタル
ここでいうメンタルとは「思考のクセ」と言い換えられます。
せっかく目的や栄養において順調に実践できていても、完璧主義すぎるところや強すぎる不安がストレスになっていたら、体質改善はうまくいきません。
つまり、このような強すぎる「思考のクセ」は、体質改善の足かせになるんです。
思考のクセの一例を挙げます。
・完璧主義
・不安感
・罪悪感
・他者基準
・プロセス思考
・敵だらけ
完璧主義は「0か100か思考」「がんばりや」とも言い換えています。
心身ともに余裕がない状態で、きっちりカロリー計算をしなきゃ気が済まなかったり、外食に抵抗があって自炊をがんばりすぎると、エネルギーを大量消費します。
症状を治すために必要なエネルギーが、すべてこれらの活動に使われてしまうんですね。
それによって、症状を治すためのエネルギーが残っておらず、疲弊しているひとはとても多いです。
こういった思考がゆるくなってきて、エネルギーが節約されてきます。ぼくのもとに来られるひとの多くは、まずこの段階で疲労感やお腹の調子が良くなります。
大半のひとは、自分がサボっていたせいで体調が悪くなったと思い込んでいますが、実は反対で、がんばりすぎているから体調が悪くなっています。
そのことに気づくひとは、治りが早いです。
そんなわけで、多くの慢性症状を抱えているひとは、この公式のどこが抜け落ちていたか、きっと察しがつくと思います。あとは、目を向けるべきところに目を向けるだけですね。