年齢を重ねれば重ねるほど、迷惑をかけ合える人間関係ほどラクなものはないなあと思っている。
たとえば、ぼくが仲良くしている友人グループなどは、遅刻やドタキャンが常習化している。
とくに10分くらいの遅刻は当たり前なので、ときどき待ち合わせ時間前に相手が現れると感動すら覚える。
相手のどんな迷惑でも受け入れる代わりに、直前で行く気がしなくなって断っても何も怒られることがないから、とても体と心にやさしい設計になっている。
つい先日、19時から友達のGくん宅で数人と遊ぶ約束をしていた。
ぼくはインドネシアからの帰国直後で疲労が取りきれてなかったので、LINEグループ上で「やっぱり行かねえ」との意思を表明した。全員から「お大事に」とあっさりした返答があって、ぼくは自宅でゆるゆるしていた。
すると、集合時間の6分前である18:54に同じLINEグループへ投稿があった。Mくんからだった。
「あれ?Gくん宅だれもいない?鍵開いてないんだけど」
それに対して、別のメンバーからすかさず返信があった。
「ごめん今みんなでごはん食べにきてる」
このあとのやりとりはこうだ。
M「まだかかりそう?」
他のメンバー「こっち(=店)来れる?入ったばっかで」
M「おっけー」
他のメンバー「飯食った?」
M「すこしだけ!」
待ち合わせ時刻の6分前に着いたにも関わらず、留守を食らったMくん。
何食わぬ顔で別の場所で飯を食ってる他メンバー。
非常におもしろかったので、後日メンバーにこのことを触れてみた。
ぼく「あれおもしろかった〜〜」
他のメンバー「だって、Mが時間通りに来るわけないと思ってるから」
M「ひさびさに抜群の時間に着いたと思ったのにな〜!」
迷惑のかけ合いが成立していて、見事にだれも怒ってない。だれも期待してないし、だれも期待されてない。なんだか力が抜けていて、心地よかった。
名誉のためにいっておくと、登場人物はみな仕事に精を出している。仕事とはまるで違ったルールや文化がそこに存在していて、これぞ〝精神的多拠点生活〟だな〜と思った。
迷惑をかけ合える場所でいえば、ぼくが通う銭湯もそうなのかもしれない。
いまでも薪で焚いてるその銭湯には、薪を管理する番人である〝薪じい〟が存在する。
すっかり腰が曲がって歩行もままならない薪じいは、サウナマットの交換を平気で常連にやらせるし、閉店1時間前にはサウナのテレビをプッツリ消してしまう。
ハッキリ言って大迷惑だが、そのおかげで銭湯に行く時間をだいぶ前倒ししたため、ぼくの平均睡眠時間は飛躍的に向上した。さらに、脱衣場でスマホを触っちゃいけないだの、サウナの中で喋らないだの、肩身の狭くなるような注意書きはとくにない。
まあ、それなりにネットの口コミでは賛否両論の分かれる銭湯ではあるけれど、個人的にはそのカンジが絶妙な居心地を生んでいる。
インドの「他人の迷惑を許しなさい、あなたも他人に迷惑をかけているのだから」ってことわざがいよいよ血肉になってきたから、そろそろインドに呼ばれているのかもな〜
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