「カラダは食べた物でできていない」
残念ながら、これが事実です。
理由はカンタンで、食べた物は消化吸収できないとゴミになるし、消化吸収できるかどうかは〝気分〟によるからです。
食事は完璧なのに体調が悪いままのひとは、ぜひ最後までお読みください。
[0]ストレスとは?
ストレスときいて、パッと思い浮かぶのはこのあたり。
・仕事
・家庭環境
・よくわからん飲み会
でも、同じ仕事でもドッと疲れる人もいれば、そうでもない人もいる。
その家庭環境を、ストレスに捉える人もいれば、能天気なひともいる。
よくわからん飲み会を楽しめる人もいれば、苦痛なひともいる。
だから、仕事や家庭環境そのものはストレスではない。
ストレスの正体は、むしろ捉え方(=思考・考え方・価値観)のほう。
完璧主義すぎる面があったり、不安の強すぎる面があると、大半の人がスルーできる場面でストレスを感じてしまう。
・添加物を気にしすぎたり
・カロリー計算をしないと気が済まなかったり
・特定の食べ物を過剰に敵視したり、
こういうひとは、ぼくのクライアントさんにとても多い。
ここでまず、ストレスの意味を再確認してから読み進めてほしい。
↓以下、ストレスがあるうちは常に起こっている反応10選。
[1]血糖値が上がる
血糖値が上がるのが怖いというひとは、糖質を極端に避けがち。
ところが、いくら糖質を避けたところで、この「怖い」という感情がある時点で血糖値は上がる。
または、上がってはいないが、非常に上がりやすい体制になっている。
以前、血糖値測定器をつけたまま寝ていたクライアントさんが、地震で飛び起きた時間に血糖値が爆上がりしていたと教えてくれた。
メカニズムは簡単で、ストレスを感じると分泌されるアドレナリンには、血糖値を上げる作用があるため。
アドレナリンは、戦闘や活動に適した反応を起こさせるホルモン。
血糖値を上げてくれるのも、嫌がらせで上げているわけではない。
戦闘や活動には糖が必要だから、上げているだけ。
余談だが、ぼくは断食後にそのままフルマラソンを走って死にそうになったことがある。
20km地点でたまらずスポーツドリンクを飲んだら、たちまち全身が軽くなった。
[2]胃の動きが鈍る
ストレスを感じると、交感神経が優位になる。
そのとき、アドレナリンが分泌される。
アドレナリンは、戦闘や活動に適した反応を起こさせるホルモン。
「腹が減っては戦ができぬ」という言葉があるとおり、戦いの場で空腹を感じているわけにはいかない。
だから、アドレナリン分泌下では、胃の消化作業は抑えめになる。
本来は戦わなくていい場面なのに、戦闘モードになっていて、胃が動いていない人は多い。
特定の他人や食べ物や思想を過剰に敵視しているひとは、このパターンがそのまま当てはまる。
胃に良いとされている食材やサプリを摂取しても良くならないのは、ストレスが原因だから。
[3]腸の動きが鈍る
胃だけでなく、腸も同じ理由で動きが抑えられる。
腸のはたらきをまとめると、、
・胃とともに消化のお手伝い
・体内に必要なものを取り込む(=吸収する)
・体内に不要なものを捨てる(=排泄)
この動きが鈍るので、消化不良になったり、栄養を取り込めず栄養不足になったりする。
サプリを飲んでいるのに調子が上がってこない原因のひとつは、この吸収不良。
お腹が張ったり便秘になる人も多い。
食事に無頓着〝でない〟のに、お腹の症状があるひとは、ほぼ間違いなくストレスが原因。
[4]呼吸が浅くなる
戦闘モードのときは、体内にたくさん酸素を送る必要がある。
だから、呼吸は浅くなり、脈は早くなる。
常に戦闘モードのひとは、常に呼吸が浅い。
根っこにストレスになりやすい思考が横たわっているなら、深呼吸の習慣は根本治療にならない。
ふだん60km/hで運転している人が、高速道路で80km/h出すと、慣れていないので呼吸が浅くなる。
ちょっと胸もドキドキする。つまり「80km/hで運転する」ことがキャパオーバー。
これと同じで、呼吸が浅いひとや気管支喘息があるひとは、今のライフスタイルが実はキャパオーバーになっている人が多い。
対処法はシンプル。スピードを緩めて心理的安全圏に入ること。
[5]胃酸↑粘液↓になる
交感神経が優位になってアドレナリンが出ると、胃酸の分泌は盛んになる。
胃酸は強い酸性なのに胃が溶けないのは、胃液の中に粘液が含まれているから。
この粘液には、胃を胃酸から守る大切な役割がある。
(胃液=胃酸+粘液+消化酵素)
しかし、都合の悪いことに、アドレナリン分泌下では、胃酸の分泌は高まるが、粘液の分泌は抑えられる。
これが、ストレスが続くと胃潰瘍になりやすい理由。
どうしてこんな都合の悪いことが起こるのか、、
きっと、カラダは知らせているんだと思う。いまの状態が危機であることを。
[6]周りが見えなくなる
ストレスを感じて戦闘モードに入ると、瞳孔が大きくなる。
目の前の敵の動きを見逃さないように、凝視するようになる。
でも、それは、裏を返せば全体が見えなくなることでもある。
・健康の情報収集をしすぎて、睡眠が足りていない
・栄養面を注力しすぎて、メンタル面をみていない
・どんな環境でも、人間関係でトラブルが起こる
というかんじで、体質改善を進めるうえでいろんな弊害が出やすくなる。
完璧主義なひとに多い「0か100思考」が出てくる要因でもある。
[7]痛みに鈍感になる
何度も繰り返すが、アドレナリンは敵と戦うために有利な反応を起こさせるホルモン。
痛みは感じないほうが戦いに有利なので、鎮痛物質のエンドルフィンを放出させて、痛みを抑える。
「どこの美容院でも肩こりだと言われますが、自覚ないし元気です!」とアピールする人が、その典型。
体質改善を進めるうちに、いろんな症状を自覚するようになってくると、とても良いサインだと捉えている。
本人が「悪くなった!」とパニックを起こさないように、このメカニズムはよく言って聞かせる。
パニックを起こすとさらにアドレナリンが出るが、ああ良くなっているんだと捉えられるとセロトニンが出る。
捉え方で出るホルモンが変わるのだから、やっぱり大事なのは捉え方。
[8]唾液が出なくなる
プレゼンやコンサートの発表前に、喉が渇いてくるのも交感神経が優位になる証。
唾液はブドウ糖をでんぷんに消化する酵素。
つまり唾液が出ていないと、糖質は口の中で早くも消化不良を起こす。
さらに、、
唾液の分泌は、胃液の分泌も促す。胃液はタンパク質の消化を行う。
だから、唾液が出ないと、胃の中でタンパク質の消化を行うこともできなくなる。
消化酵素サプリを飲むよりも根本解決になるのは、ストレスを減らして唾液を出すことかもしれない。
[9]筋肉が落ちる
ストレスが起きると、ストレスに対抗するホルモンが分泌される。
このホルモンをコルチゾールという。
コルチゾールは、ストレスに負けないために、エネルギーを枯渇させないような仕事をする。
通常、ヒトのエネルギー源は糖質と脂質。
でも、ストレスに負けないためには、とにかくエネルギー切れを起こすわけにはいかない。
そこでコルチゾールは、糖質と脂質だけでなく、タンパク質も積極的にエネルギーに変えようとする。
だから、ストレスが強いと、タンパク質がどんどんエネルギーに変わる。
つまり筋肉が落ちる。
ストレスが強いうちは、筋トレをしても、筋肉がつかない。
[10]脂肪が増える
ここでも「ストレスに負けないために、エネルギーを枯渇させるな」が関係している。
通常、ヒトのエネルギー源は糖質と脂質。
糖質は貯められる量に限界があるが、脂質の蓄積は上限がない。
(体重が100kgのひとも200gのひともいるように)
だから、ストレスが強いと、とにかく脂質を溜め込もうとする。
「副腎疲労のぽっこりお腹」や「お酒飲まないのに脂肪肝」は、これが原因。
ストレスが強いうちは、ダイエットをしても、脂肪が落ちない。
なお、ストレスの強弱や肝臓の良し悪しは血液検査である程度わかる。
解析の仕方は公式LINEの特典を参考に。
https://line.me/ti/p/%40dwh3624c
〈まとめ〉
以上の10項目からわかる通り、カラダは食べた物だけではまったくできていない。
ステーキを筋肉に換えられるかどうかは、口に入れる前から決まっているのだ。
食材や調味料選びにすべての情熱を注いでいたひとは、もっと肩の力をぬいてほしい。
なぜあなたの隣人は、食に無頓着にも関わらず、あなたよりも健康なのだろう?
ここに目を向けられると、ストレス起因のひとは、不思議なほど元気を取り戻す。