VB3不足→メンタル不安定になる理由

分子栄養学

毎月生理がくる女性は、いかにホルモンによってメンタルが左右されるか身に染みている。

裏を返せば「ホルモンを制するものは、メンタルを制する」ということ。

以下、メンタル安定に関わる4つのホルモンをつくるとき、いかにVB3(=ナイアシン)が重要かを解説。

■ホルモンの材料はたんぱく質

今回登場するホルモンは以下の3つ。

1.GABA
2.ドーパミン
3.ノルアドレナリン
4.セロトニン

そもそもホルモンの材料はすべてたんぱく質なので、低タンパク=ホルモン不足になる。

そう聞くと次の瞬間からプロテインをがぶ飲みする人がいるが、これが一番NG。

たいてい消化吸収不良を起こして腸内環境を悪化させるので、現時点で処理できるぶんだけ摂取することが大事。摂取量を減らすだけで「謎の不調」が良くなるひとはたくさんいる。

ぼくの経験上、3つ以上の低タンパク症状があるひとは、プロテインをまったく摂らないか、摂ったとしても1日10gで十分。

よって、低タンパクがある場合の優先順位は「低タンパク解消>VB3補充」。

※血液検査で低タンパクを推測する方法は公式LINE登録特典をご参考に!

 

■GABAの作り方

GABA(=ギャバ、γアミノ酪酸)の作用は以下。

・神経の興奮を抑える
・落ち着きをつくる
・筋肉をゆるめる

タンパク質からGABAをつくる代謝メカニズムは以下。

タンパク質
↓消化酵素、VC、Ca
グルタミン
↓VB3
グルタミン酸
↓VB6
GABA

ご覧の通り、タンパク質からGABAをつくるには、VB3のほかにもVB6が必要。そもそもタンパク質をアミノ酸(ここではグルタミン)に消化できることが前提。

 

■ドーパミンとノルアドレナリンの作り方

ドーパミンの作用は以下。

・幸福を感じて長期的な意欲を高める
・集中力が増して効率的になる
・前向きに考えられるようになる

不足で無関心、過剰で自分を抑制できなくなる。

ノルアドレナリンの作用は以下。

・短期的な意欲を高める
・恐怖や不安を起こす
・記憶力や集中力を向上させる

不足で無気力、過剰でパニック発作や攻撃的な性格に。

ドーパミンとノルアドレナリンをつくる代謝メカニズムは以下。

タンパク質
↓消化酵素、VC、Ca
フェニルアラニン
↓葉酸、鉄、VB3
チロシン
↓葉酸、鉄、VB3
ドーパ
↓VB6
ドーパミン
↓VC、銅
ノルアドレナリン

そう、ノルアドレナリンはドーパミンからつくられる。

ご覧の通り、鉄不足がメンタル不安定につながることも一目瞭然。

ここでもVB3だけでなく、ほかにたくさんの必要な栄養素が必要だということがわかる。結局はバランス。

ちなみに葉酸もVB群の仲間。VB群の複合サプリがもてはやされるのはそういうわけ。

余談だが、図を見てわかるとおり、銅過剰でドーパミン→ノルアドレナリンの代謝が活発になると、ドーパミン不足&ノルアドレナリン過多になる。

銅と亜鉛はシーソー関係にある。よって亜鉛不足で銅過剰が起こる。このメカニズムでメンタル不安定なひとは多い。

 

■セロトニンの作り方

セロトニンの作用は以下。

・幸福感を高める
・ストレスを感じにくくする
・ノルアドレナリンの働きを抑える

ドーパミンもセロトニンも、幸福感を感じるために大切なホルモン。

ドーパミンは甘いものを食べたときやギャンブルで勝ったときの一時的な高揚感に近いもの。

セロトニンは天気の良い日やきれいな花をみたときなどに感じる幸福感。

セロトニンをつくる代謝メカニズムは以下。

タンパク質
↓消化酵素、VC、Ca
トリプトファン
↓葉酸、鉄、VB3
5-HTP
↓VB6
セロトニン

当たり前だが、上流で滞ると下流にいかないので、優先順位は上流>下流。まずタンパク質が大事なのはそういうこと。

VB3は統合失調症の治療でもつかわれるので、メンタル系症状への影響は大きい。