「たくさん飲んでるけど、効果があるのかよくわからない・・」
栄養療法をかじるといろんなサプリを試したくなりますよね。
でも、カラダの仕組みって意外と複雑なので、サプリを飲みさえすれば栄養不足が解決すると思いきや、意外とそういうわけにもいきません。
そこで、サプリが効かない代表的な3つの理由を解説します。
- 順番が正しくない
- 腸内環境が良くない
- 浪費が多い
ひとつずつ説明します。
❶順番が正しくない
ぼくのYouTubeではよく「C<P<O」という優先順位の話をしています。体質改善をしたければ、この順に満たしていくことが大切という意味です。
Cは糖質、Pはタンパク質、Oはそれ以外(=other)の略称をあらわしています。
この「O」の中には、ビタミンやミネラルや食物繊維などが含まれます。
サプリといえば、代表的なものがマルチビタミンや鉄などですね。
マルチビタミンはいろいろなビタミンがミックスされたもの。鉄はミネラルの仲間です。
これらのサプリをがんがん飲んで栄養不足を解消したい気持ちはとてもよくわかります。実際に不足が解消して体調が良くなっているならいいのですが、そうでないならチョット聞いてください。
ビタミンやミネラルは、摂取すればすぐに効くわけではありません。タンパク質でできた輸送トラックに乗って、必要な細胞まで運ばれます。つまりビタミンやミネラルを効かせるには、低タンパクを解消しておくほうが大事なのです。これが「P<O」の理由です。
じゃあ、タンパク質摂ってさえいればサプリが効くのか。そうではありません。摂取したタンパク質が輸送トラックになるまでに(=代謝されるまでに)は、たくさんのエネルギーが必要です。そうですATPです。このATPは主に糖質からつくられます。だから「C<P<O」が大事なのです。
サプリを効かせるためには、朝や晩に主食を抜かずにしっかり摂りましょう。
❷腸内環境が良くない
前項で「ビタミンやミネラルは、摂取すればすぐに効くわけではない」とお伝えしましたね。
なぜなら、摂取したサプリに含まれるビタミンやミネラルは、ぼくたちの口や食道を通って腸まで到達したら、腸から全身へ正常に吸収されなければいけません。輸送トラックうんぬんの話は、全身へ吸収できたあとの話なんですね。
ですから、たとえば便秘をしていたり、しょっちゅう下したり、つねにお腹が張っているような人は、せっかく摂取したサプリが全身に吸収される前に便として捨てられている可能性があります。
よって、腸内環境がそもそも良くない場合は、ビタミンやミネラルのサプリを飲む前に、腸内環境を改善するための乳酸菌サプリやグルタミンサプリのほうが優先的です。
サプリを効かせるためには、まず腸のことだけかんがえましょう。
❸浪費が多い
ビタミンやミネラルを摂ると、いかにもそれらの栄養が症状を改善させるために使われるような気がしますが、効いていないなら他のところで使われているかもしれません。
たとえば、寝不足の頻度が多い人。
睡眠が十分に取れていないと、免疫力が落ちたり、炎症が起きやすくなったりします。
そうなると、免疫力を回復させたり、炎症を抑えるためにたくさんのエネルギー(=ATP)が必要になります。
ATPをつくるためには、糖質だけでなく、たくさんのビタミンやミネラルが必要になります。ですから、つねにATPが足りていない人は、糖質の欲求が食事以外でも止まらなくなるし、せっかく摂取したサプリの栄養が原状回復のために使われてしまうのです。
つまり、慢性症状の改善が後回しになってしまうのですね。
慢性症状を改善するためにサプリが使われるためには、他でサプリを浪費している原因を探して、その原因を減らす工夫もたいせつなのです。