眠りが浅い人は夜間低血糖

分子栄養学

スマホに充電が欠かせないのと同じで、ぼくらは睡眠を必要としています。

 

朝起きたら、コンセントが外れていて、スマホの充電が100%じゃなかったら、1日タイヘンですよね。

それと同じで、ぼくらの体も、朝イチには体力を100%回復していなければなりません。

 

しかし、十分な睡眠がとれない人がいますね。

寝付けないとか、途中で起きてしまうとかで、枕をいろいろ試している方もいらっしゃると思います。

 

起きぬけに肩こりや寝違いがある人や、睡眠中に歯ぎしりや噛み締めがある人に聞いてほしいのですが、そういう方は夜間低血糖を起こしている可能性が高いです。

ちなみに低血糖というのは、血糖値が70以下になる状態を指します。

夜、寝ているときに血糖値が70以下になってしまうのを「夜間低血糖」といいます。

 

さて、僕たちは日中活動しているときに血糖値を上げようと思ったら、カンタンですね。食べればいいだけです。

じゃあ、寝ているときは、どうやって血糖値をキープしているんでしょう?

まさか、2時間おきにゴソゴソ起きて、冷蔵庫を開けて糖質補給しているわけではありませんよね。

ホルモンです。ぼくらは血糖値を上げるホルモンのおかげで、夜間も血糖値がダダ下がりせずに済んでるんです。

 

ぼくたちが寝ているとき、血糖値を上げてくれるホルモンはコルチゾルです。

コルチゾルは副腎から分泌されるホルモンです。ところが副腎疲労が起きていると、コルチゾル不足になってしまう。

さぁ、コルチゾル不足になると「夜中の血糖値問題」はどうなるのか・・・?

 

ここで駆り出されるのがアドレナリンです。

アドレナリンもまた、血糖値を上げるホルモンなのですね。

コルチゾル不足なら、アドレナリンを分泌して、夜間の血糖値をキープしようとします。

 

ところが、アドレナリンって、本来どういうときに分泌されるホルモンでしたっけ?

闘争とか、逃避とか、切羽詰まったときに分泌されるホルモンでしたよね。

「格闘技見てたら、アドレナリンが出て興奮して眠れない!」

なんて、たまに聞くフレーズです。

 

そんな興奮性のホルモンが、睡眠中に出てしまったら、どうなると思います?

そう、筋肉がこわばったり、脈が速くなったり、まさに「興奮状態」に陥ります。

だから睡眠中に目が覚めたり、肩がこったり、歯を食いしばったりするんです。

 

実際に夜間低血糖があるかしらべてみた

このメカニズムを知ったぼくは、さっそく睡眠中の血糖値を追っかけてみました。

そしたら、しっかり夜間低血糖起こっとるやんけ!

70を割っている赤線部分が、低血糖をあらわしています。

副腎疲労が多い人は、睡眠中に何度も夜間低血糖になるので、ぼくはまだマシなのだと思います。

 

 

そして、細かい説明は省きますが、お酒を飲んだ日は低血糖がひどくなります。下図をみてください。

友達と中華料理屋に行き、火鍋とハイボールを5杯ほど嗜み、帰宅してソッコー寝たときの睡眠中の血糖値です。

なんと、約1時間も低血糖状態が続いています。

低血糖を起こしていない青線部分も、飲んでない日と比べると全体的に低めなのがわかると思います。

 

低血糖の時間帯は、さぞかしアドレナリンがたくさん分泌されたことでしょう。お酒をよく飲む人は、少なからず睡眠中このような血糖変動があるはずです。

そして、血糖値が下がりすぎないようにアドレナリンを出しているので、睡眠の質がかなり浅くなっていると思われます。

 

もちろん眠りが浅い原因は夜間低血糖だけではありませんが、副腎疲労があってなおかつ眠りの質が浅い人は、かなりの高確率で夜間低血糖が起こっているでしょう。

さて、問題を出します。

夜間低血糖のせいで起こった歯ぎしりは歯医者に行けば解決するでしょうか?肩こりはマッサージを受ければ解決するでしょうか?

正解は否ですね。それらは一時しのぎの治療にしかなりません。根本的に解決したいなら、治すべきは歯ぎしりや肩こりではなく、夜間低血糖です。

きっとこれを読んでいる方の周りにも、起きた瞬間から肩がこっている人がいるでしょう。ぜひコレ教えてあげてくださいね!