腸の炎症は4つのストレスから守る

分子栄養学

「腸の炎症」といわれてもピンと来ない方多いと思いますが、花粉症とか鼻炎とか、皮膚炎とか結膜炎とか、あらゆる慢性症状を持った方の半分くらいは炎症があります。

ここでいう炎症とは、ケガで赤く腫れたりジンジンしたりする急性炎症のことではなくて、そういった炎症らしい自覚症状のない、体内で密かに進行している慢性炎症のことです。

白血球数>5000、血小板>20あると、炎症をうたがっていいです。

この炎症は全身に飛び火するのが特徴なので、徐々に局所から全身症状があらわれるようになります。

あの認知症は、脳に炎症が飛び火したものだと最近言われるようになってきましたね。

 

腸の炎症をひどくする4つのストレスとは?

この4つです。

  1. 酸化ストレス
  2. 低体温ストレス
  3. 心理ストレス
  4. 免疫ストレス

 

まず酸化ストレスですが、これは活性酸素によるものですね。

お酒や喫煙、それから精製糖質の依存があると、活性酸素が発生しやすくなります。

「酸素」というと味方のような気がしますが、一方で、酸素があるからこそ鉄は錆びますし、食べ物は腐敗したりしますよね。酸素は諸刃の剣なのです。

こうして体内を錆びさせてしまうのが活性酸素です。

活性酸素に対抗してくれるのは、抗酸化物質とよばれるものですね。代表的なのはビタミンCとEです。

ぼくは1日10gのビタミンCを摂ってます。国の定める1日必要量は20mgですが、これでは全然足りません。

 

次に低体温ストレスですね。

ヒトの体温は36.5度付近に保つ仕組みが備わっているので、ここから逸脱するとよくありません。

低体温ときくと、カイロや温かいお茶で温めようとする人が多いですが、それはカイロやお茶の熱を借りているだけであって、冷えない体質になったのではありません。

冷え体質自体を解決したいならば、一時しのぎの対症療法とは別のやり方をしなければ、体質改善はむずかしいです。

 

食べ物のチョイスは当たり前ですが、ぼくが週5〜6でやっているのは水風呂です。

水風呂に入ることによって、体温を上げなければいけなくなるので、毛細血管が開くのですね。このシステムを水風呂で鍛えることができるのです。

水風呂で鍛えておくと、気温が低い日にもこのシステムの作動がスムーズになるので、カラダ冷えません。

とはいえ、甘いものを食べると細い血管がつぶれるので、やはり食生活とのコラボが大切ですね。

 

心理ストレスとは、やりたくないことをやっていたり、人間関係がこじれている人にみられるものですね。実はこういう心労そのものが腸に炎症を起こすのです。

サプリや食材にこだわるのはとても簡単です。かたや、親とのわだかまりを解消するのは大変労力が要りますね。

多くの人は、やるべきことではなく、やりたいことをやります。

だから、親との関係はそのままにして、取り組みやすい食材やサプリに走るのです。

この心理ストレスが大きい人は、栄養療法でもあともう少しのところが治らなかったりします。

 

最後に免疫ストレスですね。

腸は免疫機構の7割を担当しています。腸の炎症があれば免疫は壊滅状態になり、いろいろな症状にかかりやすくなります。

腸の免疫機構を取り戻すには、善玉菌を増やすことです。

「善玉菌を増やす=善玉菌のエサをたくさん与える」ですね。

 

ジュースやお菓子は悪玉菌のエサになります。美味しいものに限って、悪玉菌のエサになるんです。

善玉菌はオリゴ糖や水溶性食物繊維を好みます。これらを食べなければ善玉菌は増えません。

水溶性食物繊維とは、モロヘイヤ、納豆、オクラ、イモ類、アボカド、りんごなどですね。

お腹の調子が悪い人で、こういうものをしっかり摂っている人はまずいません。

 

4つのストレス、どれが該当していましたか?

中には2つ3つ該当する方もおられると思います。

それぞれのストレスに合った対処法を実践してくださいね。