早起きは危険です

分子栄養学

早起きしなければナマケモノ、という常識がはびこっている我が国ニッポン。

ですが、副腎疲労のヒトに限っていえば、ムリに早起きすることほどつらいことはありません。

副腎疲労というのは、

  • 朝起きられない
  • 甘い物がやめられない
  • 夕方3〜4時にだるさや重さがある
  • コーヒーやお酒がやめられない
  • 味の濃いものを好む
  • 完璧主義で手を抜くのが苦手である
  • 夕食後はむしろ元気になってくる
  • 自称夜型人間である

こういった特徴をもっている人です。

 

副腎疲労のヒトは、カラダの中で何が起こっているかというと、まず「コルチゾル不足」です。

コルチゾルというのは、ストレスに対抗するためのホルモンで、副腎で作られています。

つまり「副腎疲労=コルチゾル不足」です。

 

このコルチゾル、何をしているかと言えば、別名「目覚めのホルモン」と呼ばれます。

コルチゾルのおかげで、朝7〜8時ごろに血糖値が上がって、自然と目覚めることができるんです。

副腎疲労=コルチゾル不足なので、カラダが鉛のように重く、なかなか起きられないというわけ。

 

そしてこのコルチゾル、日中もしっかりと働いてくれます。

我々は当然食べると血糖値が上がりますけれども、日中仕事をしていると、2時間ほどで食べた分の糖は枯渇してしまいます。

ここでコルチゾルの出番です。

コルチゾルの命令によって、肝臓にストックされていたグリコーゲンが分解されて、糖になるのですね。

これを糖新生(=とうしんせい)といいます。糖を新しく作るからですね。

この命令がスムーズであれば、わざわざ間食しなくても血糖値が上がるので、食後2時間を過ぎても元気ハツラツです。

 

しかし、副腎疲労の人は、コルチゾルが不足しています。

だから、食後2時間を過ぎても糖新生が起きず、低血糖になります。

低血糖になると、イライラや不安や焦燥感におそわれます。

副腎疲労の人の多くは、この症状が起きてくるのがわかっているので、その前にちゃっかり甘い物やコーヒーでドーピングしていることが多いです。

こうして、コルチゾルが不足している分をカバーして、なんとかその日の仕事を乗り越えているんです。

 

「副腎疲労を治したい!」という人がやるべきは、このコルチゾルを無駄に消費しないよう、節約することなのですね。

遅起きや二度寝や昼寝は、活動を抑えることで、コルチゾルを節約する効果があります。

ですから、副腎疲労のケアとして「遅起き・二度寝・昼寝」がすごく大事なんです。

副腎疲労がひどいのに、体にムチを叩いてムリに早起きしている人の多いこと。

このストレスは副腎疲労を悪化させているに過ぎません。

 

つまり、早起きというのは、無理やりするものではなくて、自然となるのが望ましいのです。

副腎疲労が治って、キチンと朝コルチゾルが分泌されるようになれば、自然と目が覚めます。

この早起きこそが「早起きは三文の徳」の早起きなのです。